真菌とはカビ菌の一種です。この菌が原因となって感染する水虫などの厄介な皮膚病は、なかなか完治させるのが難しいことで知られていますが、現在では画期的な抗真菌薬が開発・販売されていますので、治療にお悩みの方はぜひ使ってみてください。

アルツハイマー病が抗真菌療法の対象に?

アルツハイマーは認知症の中でも患者数が最も多いと言われており、女性が多い病気です。アルツハイマーになると最近のことを忘れてしまったり、判断能力が低下してしまい、単なる物忘れのように後で「思い出した」ということもなく、本当にその出来事を忘れてしまいます。原因は脳内に特殊なたんぱく質であるアミロイドβやタウが溜り発症すると考えられてきました。しかし最近の研究結果で「アルツハイマーの原因は真菌の感染にあった」というデータが発表されました。アルツハイマーを発症して亡くなった人の脳血管や脳細胞に数種類の真菌に感染した痕跡が見られたというのです。アルツハイマーの病状はゆっくりと進行して行くことが知られていますが、真菌に感染した時も同様に、ゆっくりと病状が進行していくという点が符号しているとも言われています。これが事実ならば、アルツハイマーの予防は、抗真菌薬などを利用する抗真菌療法で可能になるということになるのです。これまでも、アルツハイマーは特殊なたんぱく質の蓄積ではなく、ウイルスや細菌による伝染病ではないかという説もあったため、それを裏付ける結果にもなりました。
しかしこの研究では、真菌がアルツハイマーの原因ではなく、アルツハイマーを発症したからこそ免疫力などが落ちて真菌に感染したり、食生活や生活習慣が変わってしまったから真菌の感染率が上がったという説も否定はできないといいます。そのため、真菌の感染が本当にアルツハイマーの原因になっているのかを臨床実験などで立証することも必要だと言われています。しかし、抗真菌治療法がアルツハイマーの治療や予防につながる可能性の一つとして浮上していることは確かなのです。